2017/07

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八人目の婿さん
 
むがすむがす、ずうっとむがす。
 金持ちな長者さまあって、娘一人いたんだけど、婿とっても婿
とっても、みんな出はっていくんだと。
 これ聞いた一人の若ぇ者がいて、
 「だれぇ、命とられるわけでねえ。死ぬ気でつとめたらば、おれ、
つとまるかもしやねぇべし。行ってみる」
って、長者のどこさ行ったんだと。
 よろこんで迎えられて、一晩二晩たったんだと。
 すると、その娘がね、夜中になって白装束に身をかためてしや、
男に言ったんだと。
 「ほんとにわたしと添いたいんだらば、わたしの言うとおりにして
けろ。わたしについてきてけろ」
 そして、お墓のほうさ連れてってね、新しい盛りっこのどこさ行
って、土掘っくり返してしや、なかから、真っ白い、ぶくぶくした
腕、ずさっと引っぱり出して、
 「これ、おぶえ。おぶえ」
って、男さよこしたんだと。
 「ああ、これだな。こいっで、婿の人、みんな出はったんだな。こ
れでは、おれもいられねぇ」
と思ったけど、

 「おぶえ。おぶえ」
って言われっから、腹きめてね、そいつ背負って家まで帰ってきた
んだと。

 「そこさ、下ろせ」
って言われたから、台所のどこさ下ろして、そして、見てだっけぇ、
娘は大鍋出したらば、なかに血のようなもの入ってて、そこさ、じ
ょっきじょっきと死人の腕切って入れてね、ぐずぐず煮てね、むし
やむしや食ったんだと。

 そして、男のほうさ、むいて、

1盛りっこ‥盛り土
2おぶえ=おんぶしろ・背負え

「お前も食え」
ってね。
 口からだらだら血っこたらしてしや、食ってみせるんだと。
「わあっ。血だらけだ。これはたいへんだ」
 男は、一度は逃げかけたけっども、
 「ここで帰っていられねえ」
って思いなおして、そいつ食ったんだと。
 食ってみたれぱ、うんとうまいんだと。
 男が食ってるのを見たらば、娘がね、
 「あんだこそ、わたしの婿だ」
って言って、よろこんだんだと。
長者さまも出てきてね、
 「おまえは度胸あって、よく食ったな。お墓から掘ったのは餅で、
鍋さ入ってたのは小豆だ。明るいほうさ来て、よく見れ」
って言われて見たら、血だと思ったのは赤い小豆汁だし、死人の腕
だと思ったのは白い餅だったんだと。
 男は長者さま婿になって、その家うんと栄えたんだと。
 大きな長者の家を継ぐ者は、これ位え度胸すわって、落ち着いて
ねえくてわかんなかったのね。
 ハ人目で、やっと婿が見つかったのでね、このことから「娘一人
に婿ハ人」っつようになったんだと。
                よんつこもんつこ さけすた


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